研究概要
音声は、私たちの生活に深く根ざした身近な情報のひとつです。
しかし、その構造や意味を的確に説明することは、意外と難しいかもしれません。
本研究室では、音声の本質をより深く理解し、日常生活に役立つ技術の開発を目指して研究を進めています。
音声の分析や、分析結果を活用したシステムの設計・実装に取り組んでおり、特に以下のテーマに力を入れています。
特に音声から発話者の状態(疲労,ストレスや感情など)を推定する研究を中心に行っています。
また、プログラミングの導入教育やアプリケーションの開発などの研究を行っています。
主な研究テーマ
・話者状態推定
音声から発話者の状態(疲労、ストレス、感情など)を推定する技術の研究を行っています。
これにより、より自然で人に寄り添ったインタフェースの実現を目指します。
・話者認識
「誰が話しているか」をコンピュータが識別する技術です。
個人認証やプライバシー保護など、セキュリティ分野への応用も期待されています。
・機械学習の応用
コンピュータが多様なデータを学習し、予測や判断を自動的に行う機械学習技術を活用し、
画像処理・音声情報処理・パターン認識などの研究を進めています。
・プログラミング教育
Scratchを用いた小中学生向けの教育コンテンツの開発や、初学者が理解しやすい学習方法の設計・評価にも取り組んでいます。
情報教育の普及と質の向上を目指しています。
科研費
・音声分析による疲労検出システムに関する研究(2008~2009、若手B 課題番号 20700172)
・音声疲労推定システムを目指した疲労測定指標の研究(2013年4月1日~2016年3月31日、 課題番号 25330219)
・音声と概日リズムの関連に関する基礎研究(2025年4月1日~2028年3月31日、 課題番号25K15188)
なお、科研費の成果につきましては、公開されていますのでそちらをご覧ください。
受託研究
・音声疲労測定法の基礎研究と機器開発
(H28~ )公益財団法人関西文化学術研究都市推進機構
・音声を用いた疲労検出システムの構築 (H19.9~H20.2) JSTイノベーションプラザ京都
共同研究
2020,2021年度
・「声」でストレスを見える化する ―ライフコースにおける動機づけフィードバックシステムへの試み―
2017,2018年度
・発話音声解析による疲労検出システムの研究開発
2016年度
・音声疲労測定器の研究開発
2012年度
・サイレント音声入力装置の開発研究
2011年度
・サイレント音声入力装置の開発研究
卒業研究・特別研究
研究室で行っている研究テーマです。
詳しくは学会発表や論文をみていただくか、直接問い合わせ下さい。
卒業研究(本科)
2024年度
・BGM楽曲の歌詞のモーラ数およびBPMの違いが計算課題の遂行に与える影響
・筋トレ補助アプリケーションの開発
・環境音の特徴分析における音響シーンの推定
・SNS上の炎上と株価変動の連動性
2023年度
・細分化された駅放送の聞き取りやすさについての研究
・プログラミング学習におけるチュートリアル教材「DitHub」の学習効果の検討
・AIと歌声認識による作曲支援システム
・入眠時のASMRと入眠時間の関係性に関する研究
・睡眠中の呼吸音を用いた体調推定
2022年度
・作業時における音声分析を用いたストレス推定
・音声分析によるストレス検出の提案 ―スポーツパフォーマンスとストレスの関係―
・識閾下の情報が人の選択に与える影響
・背景音楽が学習に及ぶす影響
2021年度
・演技時における単語への感情付与難易度の分析
・1/f ゆらぎを用いた快適空間の検討と提案
・ASMR 動画とリラックス効果の関連性
・眠気を含んだ音声の特徴の検討
2020年度
・ゲーム効果音の音響的特徴が依存性に与える影響
・心理ストレスが話者の音声に与える影響
・自転車乗車時の風切り音による通報音認知距離の変化と自転車操縦者に適した通報音の提案
2019年度
・パワーと基本周波数の時間変動を用いたエレキギターの奏法判定手法
・面接時に好印象を与える音響的特徴の検討
・Raspberry Piを用いた音声疲労測定の実現を目指したモジュールの改良
・自動車ドライバーの疲労測定を目的とした音声分析システムの改良開発
2018年度
・中学校におけるPowerPoint利用支援コンテンツの開発
・Raspberry Piを用いた音声疲労測定モジュールの改良
・音楽のジャンルが時間経過の判断に与える影響
・ドライバーを対象とした疲労測定システムの開発
2017年度
・音声による疲労測定システムのためのRaspberry Piを用いた車載型モジュールの開発
・発話推定および切り出しの自動化システムの作成
・自動車運転がフォルマント周波数に与える影響
・VDT作業者の音声と疲労との関係についての分析
・砂時計型ニューラルネットワークによる音声の疲労判定手法の提案
2016年度
・奈良高専生の自転車通学時における事故防止のための検討
・英単語発音学習支援システムのための音声評価法の提案
・自転車エルゴメータ運転時の音楽と疲労の関係に関する研究
・注意配分力と疲労に関する研究
2015年度
・聴覚実験による声優音声の印象分析
・補聴器を目的とした子音入力時における雑音除去フィルタ特性の研究
・自転車とシミュレータにおける音声疲労測定法の検証
・自転車シミュレータによる疲労推定法の検討
2014年度
・高専生を対象とした英単語発音学習支援システムの開発
・フォルマント周波数修正によるささやき声の聞き取り向上に関する研究
・ベース演奏の正誤判定システムの作成
2013年度
・声道特性を用いた疲労推定法の提案
・擬似声帯振動を付加した無声音を対象とした音声認識に関する研究
・高専生の情報モラル学習を目的としたスマートフォンアプリケーションの作成
2012年度
・小学生を対象とした情報モラル学習コンテンツの作成
・擬似声帯振動を付加した有声子音の明瞭度向上に関する研究
・中枢性疲労の測定と評価
・末梢性疲労の測定と評価
・タブレット端末による高齢者の為の文字入力アプリケーション開発
2011年度
・幼児を対象にしたタブレット端末利用に関する提案
・擬似声帯振動を付加した無声音の明瞭度向上に関する研究
・音声による疲労測定と従来の疲労測定指標による疲労測
2010年度
・聴取者による音声の疲労推定実験Ⅱ
・サイレント音声入力装置のためのフォルマント周波数修正法の提案
・小学校教員のためのディジタル教材作成コンテンツの開発
・小学生を対象としたプログラミング学習用コンテンツの作成
2009年度
・サイレント音声入力装置開発を目指した基礎的研究
・聴取者による音声の疲労推定実験
・音声による疲労推定システムの改良および評価
2008年度
・Squeakを用いた小中学生の理科学習支援コンテンツの開発
・音声器官の疲労による音声への影響
・疲労が音声中のフォルマント周波数に与える影響Ⅱ
・Squeakを用いたプログラミング学習用コンテンツの開発
2007年度
・音声に影響を与える疲労の検討
・疲労が音声中のフォルマント周波数に与える影響
・子音入力時における砂時計型ニューラルネットワーク雑音除去フィルタのフィルタ特性
・発声重複区間における話者認識率の比較
2006年度
・基本周波数とパワーを用いた音声に含まれる感情の判別
・疲労が音声に与える影響
・単語のアクセント型に注目した感情音声合成
2005年度
・母音の各帯域に含まれる個人性情報を用いた話者認識Ⅰ
・砂時計型ニューラルネットワークを用いた母音に含まれる個人性情報の抽出に関する研究Ⅱ
2004年度
・母音の高域に含まれる個人性情報が話者認識に与える影響
・砂時計型ニューラルネットワークを用いた母音に含まれる個人性情報の抽出に関する研究
特別研究(専攻科)
2024年度
・音声分析を用いた単純加算遂行時のパフォーマンス測定
・建築作業時に発生する騒音と作業効率の関係
2021年度
・車内環境音での音声疲労測定システム
・RVMを用いたエレキギター奏法熟練度自動推定
・中国語における怒りの感情音声の音響分析
2018年度
・定量的疲労推定に向けた音声特徴量と従来の疲労測定指標の関係の分析
2015年度
・自転車エルゴメータ運動における音声の基本周波数の継時的変化
2013年度
・漏れ区間率を用いたスピーチプライバシー評価法の提案
2008年度
・VCV単語を用いた誤聴要因の検討
2007年度
・多段接続砂時計型ニューラルネットワークによる連続音声中の個人性情報抽出