| 情報システム Information System |
2000, Feb. 20th, updated
1999年,日本を騒がせた組織的事故隠し -問題発見から問題解決への道(2)-
枕
1999年、日本を騒がせた組織的事故隠し
ex.
1) JR西日本トンネル内コンクリート片落下
2) 神奈川県警の不祥事隠蔽
3) JCO他、原発関係の放射能漏れ事故
4) 日英他、の取り立ての実態
5) カルト団体 (法の華、ライフスペース、etc.)
6) ノック知事のセクハラ裁判
1) 〜5) の共通の事例
1) 「コンクリートが危ない」 岩波新書 での危険性の指摘
新幹線車内への落下事故で問題が社会的に認識
2度目の事故の後でトンネル打音検査 --> 4.1 万ヶ所の危険箇所を公表
情報システムとして見た場合の問題点
1) 問題の発見 (小規模な事故、第3者からの危険性の示唆)
2) 問題の改善ではなく、隠すための行動 (ex.安全宣言)
3) 隠しきれなくなった時点で、少し努力する
先週の復習 1.3 問題発見から問題解決への道
情報システムのライフサイクル (Page 6)
事前評価 -> 問題点発見 -> 分析 -> 設計 -> 開発 ->
テスト -> 実装 -> 運営 -> 事後評価 -> (問題点発見)
では、前述 1) 〜 5) のシステムが改善されない原因はライフサイクルのどこに
問題があることなのか?
-> システムの改善を阻む要因は何か?
1) 点検、評価が面倒(大きなコストがかかるため)
事後評価を怠るので問題点が発見できない
2) 事後評価を当事者が行うので甘くなりがち
-> 第3者の立場での評価が重要
3) なぜ発見、示唆された問題点を重視しないのか?
-> システムの改善ではなく、現行システムの維持、運営が最大の目的
ex. 安全宣言とは、現行システムに問題点がないと正当化するための分析
なぜ現状維持か?
-> システムの点検、改善には一時的に大きなコストがかかるので、できる限り
避けたい、あるいは、先延ばしにしたい
1.4 情報システム学の見方
情報システム学は様々な学際全域である
1) コンピュータ系 情報工学、ソフトウェア工学
情報技術( IT )の応用
問題発見から解決、開発へ
2) 図書館情報学 (ex.筑波大)
管理、経営工学
組織や、社会の意思決定の仕組み
情報システム学研究の使命 (by P.G.Keen 1980)
組織や社会における様々な情報技術の効果的なデザイン、デリバリー(伝達)、利
用、インパクトを研究すること
ex. インパクト -> 携帯電話の急速な普及によるインパクト
---------------------------------------------------------------------------