知能工学 2000
Intelligence Engineering 2000


2000, Sep. 10th, updated



1章 人工知能とは:
    1.3 人工知能の歴史(その3), pp.17-18,-エージェントの時代-

注)赤字は山口の加筆修正部分です.
2000年 5月15日(月) 講義ノート.....電子情報専攻 山口研究室,北村 由紀


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知能工学講義ノート 2000年5月15日(月)
<>で囲んでいる部分は,黒板では赤字で書かれていた部分に相当します.

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今日の(5/15)マクラ:実世界,インターネット,AI

1) 5/13〜5/14のIT革命関連番組
 ・IT(コンピュータ&インターネット)が社会(や人間)のあり方を変える
 ・ビジネス(電子商取り引き)や産業(メーカのモノ作り),コミュニケーション
   (ケータイ,iモード)の様変り

2) AIはインターネットを救うか?(2000,3月知識ベース研究会にて議論)
 (人間がインターネットを使う上で,いかに手間(わずらわしさ)が省けて
 便利になるか?
 →<エージェント技術>(人間の行いたいこと(目的)の代行をする
    ソフトウェアのこと)
 →具体的な手続きを与えなくても,人間の与えた目的を達成する

3) インターネットはAIを救うか?(そりゃ逆やろ)
 Q.エージェントは単体の技術/アプリか?
  複数のソフトで実現される処理の流れか?
   →実装(実現方法)は様々
   ”エージェント”の概念は共通
A1.AIブーム→AI冬の時代→インターネットブームに便乗
A2.AIは(実世界で)役にたたない→でもインターネット上ならうまくいくかも...


  先週の修正
 伝統的AI(手法)  by星野力
 (1)全ての事象を記号化→<表象主義,記号主義>(representtationalism)
    ex.明日の天気は?雨
 →記号と記号間の推論で知識を表す/生成
 (2)知識,表現(解き方)の手続きを全て人間が記述して与える→<明示主義>
 (3)目的,目標が既知→<目的主義>

P.17 1.3.8 エージェントの時代(after AIブーム)
 1.伝統的AI手法の問題点
  1) 融通の利かない知的さ
    想定外の状況に対し,やり方,振舞いを修正,改善したい
   ・”気が利く”振舞い→”1を聞いて10を知る”
  2) 実世界の問題を扱えない

  2.(用いる)問題が実世界とどう結び付くのか?
    ex1.”キャットキラー”(=ネオむぎ茶)という記号の意味は?
     →HP,掲示板での投稿者のハンドルネームが現実世界の誰に対応するか?
     <symbol grounding問題>
    記号が(実世界に)どう着地/接地するか(させるか)と言う問題
    ex2.推論結果の「雨」は実世界のどういう現象・状況に対応するか

  3.記号主義の否定 by ロボティクス
    記号を用いた推論なしでも,実世界でうまく行動できる手法を実現

                          
    センサの入力データ  ------------→  モータの出力→アクション
          ↓                              ↑
       記号化      ---→   推論   --→  数値化   
                                   
    →知覚と行動との直接的な対応
      行動主義AI

   様々な入力に応じた反射行動の組み合わせ/重ね合わせが実世界の複雑な
   状況にうまく対応できる.

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yamaguch@info.nara-k.ac.jp


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