学会
2025年度
- 北畑祐希,市川嘉裕,山口智浩:ユーザの適切な行動を促進するモノの擬人化デバイス,第39回人工知能学会全国大会,3Win5-59,2025年5月29日,大阪,ポスター発表.
- 行動経済学で知られる“ナッジ理論”は,利用者にモノを適切に活用するように誘導する方法として応用されている.しかしながら,ナッジの実装手法はモノの種類によって異なるため汎用性が低い.一方で,モノの“擬人化”は利用者のモノへの態度を良くすることが示唆されている.これまでの研究では言語による指示を含む擬人化が多くなされてきたが,見た目のみの擬人化の実装に絞ればナッジとして汎用性の高い手法になりうる.本研究では,利用者にモノを有効活用するよう促すための汎用的な“擬人化デバイス”を開発し,有効性を検証することを目的とする.被験者実験では,対象物をペン立てとし,ナッジ理論に沿った実装のデバイスおよび無関係の図形を表示するデバイスと擬人化デバイスを比較することによって擬人化デバイスの「ペン立てにペンが入れられやすくなる効果」の有無を確かめた.その結果,擬人化デバイスを取り付けたペン立てがその他のペン立てよりも注目されやすいことが判明したが,実際にペンが入れられやすくなる効果について有意差を示すまでには至らなかった.
2024年度
- 椋本純,市川嘉裕,山口智浩:チャットAI活用スキル向上のための共学習システムの構築,情報処理学会第87回全国大会,4F-03,2025年3月14日,大阪(オンライン).
- 本研究では,チャットAIの活用スキル向上を目的とした授業手法を提案する.有効性検証のために,提案手法を実現するWebシステムを構築し,データを収集・分析する.提案システムは(1)演習課題の提示,(2)成果物の回収,(3)相互評価の機能に加え,(4)演習時に利用可能なチャットAIとの対話機能,(5)評価の高い成果物とその演習時の対話履歴を学習者間で共有する機能を備える.1クラス(約40名)を対象に数週間(各週20分程度)の演習を実施し,利用データを収集する.対話履歴を主な分析対象として,学習者間で共有する価値のある事例の確認やそのような事例の自動選出について考察する.
2023年度
- 比嘉隆貴,市川嘉裕,山口智浩:Rust言語による並列分散処理システムの開発と評価,情報処理学会第86回全国大会,4J-06,2024年3月16日,横浜(オンライン).
- 並列分散処理システムは,複数台のコンピュータおよび複数のスレッドを利用し,大量のデータを処理するシステムである.代表的な並列分散処理システムであるApache HadoopやApache Sparkは初期リリースから年月が経ち,改良が日々施されている.しかし,言語システムやアーキテクチャの技術向上に沿って,コンパイル時の最適化と柔軟性の担保やリソース使用の最適化が行われず,最大限の性能が発揮できていないと考えられる.そこで,本研究では所有権とライフタイムと呼ばれる概念を備えたRust言語を用いて開発を行い,低レベルな制御とメモリを安全かつ効率的に使用することで,速度向上が可能か検証する.
2022年度
- 堀川康生,市川嘉裕,山口智浩:DTW法を用いた動作間の類似性評価手法の検討,第21回情報科学技術フォーラム(FIT2022),J-001,2022年9月13日,横浜.
- 近年,スポーツやダンスなどの動画がインターネットを通じて共有されるようになり,動画内の動作を目標として真似ることで,自身の動作を改善しようとする需要が高まっている.しかし,現在の動作が目標動作にどれだけ合わせられているかを把握することは困難である.本研究では,2つの映像データ中の動作の違いを明確にすることを目的とする.そのために,関節位置推定法に基づいて関節位置データを取得し,Dynamic Time Warping法によって動作の類似性を評価する手法を検討した.実験として,ビデオカメラで撮影された動作映像データについて時間的・空間的に加工を施し,それらに対して手法を適用することで有効性を検証した.
2021年度
- 比嘉隆貴,市川嘉裕,山口智浩:NVMe SSDとIEEE802.3an/bzを考慮した分散ファイルシステムの提案,情報処理学会第84回全国大会,1K-05,2022年3月3日,松山.
- 川端祐也,市川嘉裕,山口智浩:XAIを用いたノイズに頑健なモデル構築手法の提案,情報処理学会第84回全国大会,6T-03,2022年3月5日,オンライン.
2020年度
- 藤本祥,市川嘉裕:Webページの配色のためのインタラクティブな推薦システムの試作,情報処理学会第83回全国大会,7K-03,2021年3月20日,オンライン.
- 福本大介,市川嘉裕,山口智浩:テストケース生成補助に基づくプログラミング学習支援,情報処理学会第83回全国大会,2ZG-03,2021年3月18日,オンライン.
2019年度
- 初田玲音,市川嘉裕:非タスク指向型対話システムにおける話題展開へのゼロ照応解析の導入.第82回情報処理学会全国大会,2T-07,2020年3月5日,石川(オンライン開催).
- 非タスク指向型対話システムは人との意思疎通を図る上で,自然に話題展開する能力が必要とされる.本研究では,二つ以上連続する会話文を考慮することで自然に話題展開させる手法を提案し,その有効性を検証することを目的とする.そのために,対話中のシステムに入力される会話文の述語に対してゼロ照応解析を行い,省略された情報を補完した後で話題展開を行う.この補完によって,主語等の主要な要素が省略されることの多い会話文をそのまま用いるよりも高い精度での話題展開を期待する.提案手法の有効性を検証するため被験者実験を行い,照応解析を用いない比較手法,人間相手による対話結果と,アンケート調査の結果に基づいた分析を行う.
- 杉野森拓馬,市川嘉裕,山口智浩:手書きスケッチに基づいた3Dモデル作成支援.第82回情報処理学会全国大会,5ZC-09,2020年3月6日,石川(オンライン開催).
- 昨今,3D表現を用いたゲームや映画,VR作品などの3Dメディアの普及に伴い,それらの個人製作の需要が増えている.しかし,3Dモデリングに必要なソフトウェアでは高い技術が要求されるため,デザインに割けるコストが減少してしまう.この問題に対して本研究では,スケッチに基づいて3Dモデルを生成する方法に着目する.スケッチによる意匠デザインにおける前提の下,意匠デザインを支援するための人とシステムによる協創に基づくモデルとそのモデルに沿って動作する支援システムを提案する.
- 福本大介,市川嘉裕,山口智浩:プログラミング初学者のためのリアルタイムテストシステムの試作.2019年度情報処理学会関西支部 支部大会,E-02,2019年9月23日,大阪.
- 杉野森拓馬,市川嘉裕,山口智浩:手書きスケッチの自動3D変換へ向けたスケッチ表現の自己評価に関する調査.2019年度情報処理学会関西支部 支部大会,G-116,2019年9月23日,大阪.ポスター
H30年度
- 杉野森拓馬,市川嘉裕,山口智浩:手書きスケッチの自動3D変換へ向けたスケッチ時の情報欠損に関する調査,計測自動制御学会 第46回知能システムシンポジウム,B2-1,2019年3月6日,滋賀.
- 昨今,3D表現を用いるメディアの需要が増加傾向にあるが,3Dモデルの作成には技術的な壁がある.本研究では,より自由な形式での3Dモデル作成支援に向けて,手書きスケッチから3Dモデルを自動生成する技術に関する新たな知見を得ることを目的とし,実際に人がスケッチをした際や人が3Dモデルを作成する際に表現しきれず欠損する情報に着目して調査を行った.具体的には,(i) 既存の3Dモデルを被験者がスケッチし,(ii) スケッチを基に別の被験者が3Dモデルを作成するという手順を通して得られたデータを基に比較分析を行った.3Dモデルの不変特徴量およびアンケート結果を基に算出した類似度の比較から,情報の欠損が起こる要因について分析した.
- 金内高志,市川嘉裕,山口智浩:衣服の固定化を解消する発想能力・決定能力向上支援システムの検討,計測自動制御学会 第46回知能システムシンポジウム,B2-2,2019年3月6日,滋賀.
特別研究
特別研究テーマ
- モノの擬人化が与える利用者の行動変化
- PINNsを用いた多孔質構造を含む流れ場予測モデルの開発
これまでの特別研究テーマ
- チャットAI活用スキル向上のための共学習システム
- Rust言語を用いた並列分散処理システムの開発
- テストコードに対するリファクタリングがソフトウェアテストに及ぼす影響
- XAIを用いたノイズに頑健なモデル構築手法の提案
- ユーザ評価に基づく配色生成アルゴリズム
- テストケース生成補助に基づくプログラミング学習支援
- 手書きスケッチに基づく3Dモデル作成支援に関する研究
- 衣服の固定化を解消する発想能力・決定能力向上支援システムの検討
卒業研究
2024年度卒業研究テーマ
- 記憶グラフに基づく対話AIの検討と評価
- ビジュアルプログラミング言語におけるコード補完機能の手法の提案
- タスク分解と進行管理のためのWeb版ChatGPT向けブラウザ拡張機能
- オキシトシン分泌を促進するVR体験の設計と評価
- PINNsを用いた流体トポロジー最適化
2023年度卒業研究テーマ
- モノの視覚的擬人化と利用者意識の関係
- 柔軟なパラメータをもつ使い回し可能なリソースの最適化
- 教室内コミュニケーションの促進方法の検討
- 振動呈示による恐怖喚起に関するデバイス別評価
2022年度卒業研究テーマ
- BERTを用いた別解をもつ英文穴埋め問題の自動生成
- 生成音楽理論GTTMを用いたピアノ譜面の部分的簡約と広域化
- オブジェクトとメソッドの関係に焦点を当てたプログラムの動作の視覚化
- 手続き型生成用プログラム言語を用いたMinecraftの建造物生成
2021年度卒業研究テーマ
- 日本語の見出しを対象としたclickbaitの検出
- スキマ時間を利用した反復学習によるプログラミング知識の定着
- NVMe SSDとIEEE802.3an/bzを考慮した分散ファイルシステムの提案
- 同一人物を対象とした動作の時系列的な類似性評価
2020年度卒業研究テーマ
- 主観的な経験を表すエピソードデータの提案
- イベント日時を対象としたWebコンテンツからの情報抽出
- マイクロブログを用いた迅速な鉄道運行情報の取得
- エージェントベースシミュレーションを用いた離職問題解決手法の提案
2019年度卒業研究テーマ
- 水平思考パズルにおける質問エージェントの開発
- 非タスク指向型対話システムにおける話題展開へのゼロ照応解析の導入
- Webページの配色支援システム
- ユーザ操作をトリガーとするショートカットキー活用促進
H30年度卒業研究テーマ
- 手書きスケッチの自動3D変換へ向けたスケッチ時の情報欠損に関する調査
- LSTMを用いた音響特徴量予測によるプレゼンテーション支援
- プログラミング初学者のための変数トレース提示方法の提案
- マルチエージェントシミュレーションを用いた奈良高専の自転車通学状況の評価及び改善策の検討
H29年度卒業研究テーマ
- 行動ゲーム理論を用いた投票率向上システムの構築
- 自己開示を用いた出会い支援システムの構築
- プレイヤーのミスを誘う煽りAIの研究
- こどもの命名支援に対する社会型変数の提案