人工知能概論
Introduction to Artificial Intelligence
1999, Nov. 26th, updated
テキスト4章 フラクタル pp.34-48
1999年11月26日(金) 講義ノート(by 松尾研,藤野)
・中間テスト :自筆ノートのみ持ち込み可(50分)
・今日のノート当番:藤野(前回 國分くん満点)
フラクタルとは?(p.37, fractal:断片的な)
→見る大きさ(スケール)を変えても同じように見える(同じ構造を持つ)こと
4.1 フラクタルの発見 (by Mandelbrot)
− 海岸の長さはどうやって測るのか?
|
| ○普通の物は固有の大きさ(スケール)を持つ
| ex. 机の大きさは数十cmのスケール
| 机の一部分を切り取って拡大してみると机には見えない
|
| ところが
| ○海岸線(ex. 三陸沖のリアス式海岸)の地図は10万分の1でも1万分の1でも
| ギザギザしている (p.35〜36 図4.1)
|
→ どのスケールで測ればよいか?
計測するスケールを細かくすると、海岸線の長さは長くなる
↓
計測するスケールを一定の割合で細かくすると、
海岸線の長さは一定の割合で長くなる
→p.36 図4.2
両対数グラフ上で直線になる性質
⇒直線の傾き…海岸線は何度拡大しても入り込み具合は<常に一定>
4.2 自己相似性--フラクタル図形 (p.37)
自己相似性…図形の一部を拡大した時に同じ図形が無限に繰り返される性質
4.2.1 コッホ曲線の描き方
手順
1) 線分を3等分する
2) 真ん中を正三角形に盛り上がらせる
3) <1)2)を再帰的に繰り返す>
再帰的とは…「階乗」cf. n!→n*(n-1)! (再帰的定義)
コッホ曲線の生成法
x ----------|----------|---------- 手順 1)
...left(x) ..center(x)..right(x)
コッホ関数の考え方 (→は置換を表す)
1) x→left(x)+center(x)+right(x)
2) center(x)→l-center(x)+r-center(x)
3) 再帰的繰り返しを行う関数をf(x)とすると
f(x) → f(left(x)) + f(l-center(x)) + f(r-center(x)) + f(right(x))
"コッホ関数"と呼んでおく
コッホ関数の再帰的定義のイミ
線分を4つの断片にわけて …1)2)
それぞれの断片に再帰的な操作を行う…3)
コッホ曲線の性質…一回の操作で線分の長さは<4/3倍>になる
4.3 フラクタル次元 (p.40〜)
○次元とは? …変更できる変数(パラメータ)の数
グラフ(空間)の軸の数
○フラクタル次元…自己相似性(<再帰的定義>)を持つ図形を定量的に扱う ための次元
→ある図形が元の図形の相似形いくつから構成されているかを表す
フラクタル次元 D=(log b)/(log a)
↑ ↑
相似形b個 全体の1/a
Q.では、コッホ曲線の D は? a= ,b=
4.5 自己相似性を用いて木の形を描こう!
自然界の様々な現象に自己相似性があるのなら、
逆に法則性を用いて自然界の<現象や形を再現できる>
(CGによるリアルな雲、水、山、木等の表現)
(リアルな地図の作成→the Atlas)
木の葉のシミュレーション (p.44)
x ---------|---------
trunk(x) branch(x)
幹 枝
1) x → trunk(x)+branch(x)
2) branch(x) → branch1(x)+branch2(x)
3) 木の再帰的定義 tree(x) → trunk(x) + tree(branch1(x)) + tree(branch2(x))
植物の枝分かれシミュレーション (p.49 図4.9)
p.44の木の自己相似性を決めるルールやパラメータを変えることによって様々な木の形状を表現できる
yamaguch@info.nara-k.ac.jp
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