科研費成果報告用ページ(2020年度版)


令和2年度状況
種別 テーマ名 補助金額
基盤研究C 自由手書きされた重ね書き文字認識を可能する前処理の実現 3,120,000(内間接経費720,000)

研究実績の概要
平成2年度は,研究計画として,
T.重畳採点記号を含む答案画像の収集
U.重畳文字分離手法の提案
V.提案手法の有効性の検証
W.提案手法の有効性に関する研究報告
等を予定していた.

T.については,実験協力者である本校情報工学科5年生および専攻科生計9名によって,本研究費の謝金で模擬答案の作成を依頼し,模擬答案の解答に対して,○,△,?の採点記号を用いて採点作業を実施してもらい,その採点記号に対応した配点を部分的記入枠に記述した100枚のA4サイズの模擬答案用紙を作成した.さらに,この模擬答案用紙をイメージスキャナにより300dpiで電子化し,模擬答案画像を作成した.

U.については,重畳文字分離を仮の提案手法で分離処理を施したところ,採点記号のストロークに欠損が生じることや,採点記号パターン同士の重畳の状態によっては,分離処理後の採点記号パターンを本来の採点記号に復元できないものが一部に見られた.そこで,この問題に対処するために,分離手法を施さずに重畳パターンをそのまま入力パターンとして取り扱い,どのパターン同士が重畳しているかを出力結果とする機械学習を用いた認識処理手法を提案するに至った.

V.については,○,△,?を様々な状態で重畳させた辞書パターンを作成し,それを機械学習させた認識処理システムを作成した.このシステムを用いて,学習および未知の各60000パターンの重畳採点記号パターンに対して認識実験を実施した.その結果,重畳採点記号パターンに対して,学習パターンで,最大で99.9%,最小で92.4%,平均97.5%,未知パターンで,最大で99.2%,最小で85.8%,平均90.8%の結果が得られた.

W.については,昨今のコロナ渦のため発表の場が減少したことから,来年度にリモートでの開催の学会での発表に延期することにした.

助成による研究成果一覧
なし


〒639-1080 大和郡山市矢田町22
奈良工業高等専門学校 情報工学科 
教授  松尾 賢一
E-mail:matsuo□info.nara-k.ac.jp
(巡回ロボット対策のため,□を@に変えています)