科研費成果報告用ページ(2011年度版)


平成23年度状況
種別 テーマ名 補助金額
基盤研究C 文字スポッティングを導入した情景中の文字情報探索システムの開発 910,000円(直接経費700,000円,間接経費210,000円)

研究実績の概要
我々の日常の行動において,何気ない情景中から文字情報を見つけ出し,それを理解して利用することが多い.また,文字情報が障害物や遠方で読むことが困難である場合,視点を変えたり,見えるところまで移動して文字情報を取得することもある.本研究では,我々が文字情報を取得する何気ない行動プロセスを,OCRを用いた情景中の文字パターンを認識するシステムに導入することを目的としている.

この目的を達成するために,情景中に文字情報が存在するか否かの判定も含め,文字情報が存在するであろうと考えられる位置や領域に対して着目する技術の開発を行っている.具体的には,文字スポッテング(着目)エンジンをパソコンに組み込み,パンチルトカメラで入力された情景画像に対して,文字が存在しうる領域に着目し,その領域付近をパンチルトカメラで画像の再入力を行い,その領域内に含まれる文字パターンに対する認識率を向上させることを目指している.

研究の目的に対して,平成23年度は,情景に文字が存在する可能性の高い領域に対して,パンチルトズームカメラで着目させる手法を提案し,その有効性について検討した.

研究成果としては,大局的な文字情報への着目方法として,文字が存在しうる領域を文字が持つ普遍的特徴を画像中の局所領域内に対して4つの特徴量(濃度ヒストグラム分布,色情報,周波数成分,複雑度)で分析し,分析結果から文字領域候補となる局所領域に対して,カメラをズームさせる(文字スポッティング)ことで文字認識可能な画質をもつ文字パターンを得るアルゴリズムとその性能評価を実施した.

以上の研究について,4件の口頭発表を実施した. 

助成による研究成果一覧
口頭発表【4件】
森下紀明,松尾賢一:“パンチルトズームカメラを用いた文字スポッティングシステムの開発”,2012年 電子情報通信学会 総合大会 学生ポスターセッション,(2012/03/22)
岡田亜沙美,森下紀明,松尾賢一:“パンチルトズームカメラを用いた文字スポッティングの実現”,2012年 電子情報通信学会 総合大会 学生ポスターセッション,(2012/03/22))(優秀ポスター賞受賞)
結崎嵐稀,松尾賢一:“SIFTを用いた情景動画中のガソリン価格看板領域の検出”,2012年 電子情報通信学会 総合大会 学生ポスターセッション,(2012/03/22)
福岡英治,松尾賢一:“携帯端末を用いた手書き文字認識システムの開発”,電子情報通信学会関西支部学生会 第16回学生会研究発表講演会 講演論文集,D1-3,(2012/03/09)


〒639-1080 大和郡山市矢田町22
奈良工業高等専門学校 情報工学科 
教授  松尾 賢一
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(巡回ロボット対策のため,□を@に変えています)