科研費成果報告用ページ(2009年度版)


平成23年度状況
種別 テーマ名 補助金額
基盤研究C 文字スポッティングを導入した情景中の文字情報探索システムの開発 780,000円(直接経費600,000円,間接経費180,000円)

研究実績の概要
我々の日常の行動において,何気ない情景中から文字情報を見つけ出し,それを理解して利用することが多い.また,文字情報が障害物や遠方で読むことが困難である場合,視点を変えたり,見えるところまで移動して文字情報を取得することもある.本研究では,我々が文字情報を取得する何気ない行動プロセスを,OCRを用いた情景中の文字パターンを認識するシステムに導入することを目的としている.

この目的を達成するために,情景中に文字情報が存在するか否かの判定も含め,文字情報が存在するであろうと考えられる位置や領域に対して着目する技術の開発を行っている.具体的には,文字スポッテング(着目)エンジンをパソコンに組み込み,パンチルトカメラで入力された情景画像に対して,文字が存在しうる領域に着目し,その領域付近をパンチルトカメラで画像の再入力を行い,その領域内に含まれる文字パターンに対する認識率を向上させることを目指している.

研究の目的に対して,平成21年度は,情景に文字が存在しうるか否かを判定する手法を提案し,情景中で見かけ上遠方に存在するため認識処理を導入できない文字パターンを精度良く着目する文字スポッティングエンジンの開発を目指した.研究成果としては,文字領域がどこに存在するかを確定するために,文字の普遍的特徴を利用し,文字らしさを判定する手法を提案し,その実用性についても明らかにした.

この研究結果から文字スポッテングエンジンのプロトタイプを実現するに至った.これと並行して,情景中に存在する文字情報にパンチルトカメラを着目させるための前段階として,パンチルトカメラの制御プログラムを開発した.また,単独の文字だけでなく,重なり合う文字情報についても,各文字単位に分離させる試みを実施した.

以上の研究について,5件の口頭発表を実施した.

助成による研究成果一覧
口頭発表【5件】
寺脇温晃,松尾賢一:“情景画像中の文字スポッティングに向けた“文字列らしさ”の検討”,電子情報通信学会関西支部学生会 第15回学生会研究発表講演会 講演論文集,D9-3,(2010/3/10)
岡田亜沙美,越田直輝,寺脇温晃,松尾賢一:“文字スポッティングに向けたパンチルトカメラ制御プログラムの開発”,電子情報通信学会関西支部学生会 第15回学生会研究発表講演会 講演論文集,D9-2,(2010/3/10)
寺脇温晃,松尾賢一:“情景画像中の文字スポッティングに向けた“文字らしさ”の検討”,電子情報通信学会2010年総合大会 学生ポスターセッション,(2010/03/16)
宮本弘志,松尾賢一:“ストロークの方向性を用いた重ね書き採点記号の分離抽出”,電子情報通信学会関西支部学生会 第15回学生会研究発表講演会 講演論文集,D9-4,(2010/3/10)
寺脇温晃,越田直輝,松尾賢一:“文字領域検出に向けた文字の普遍的特徴分析”,平成21年電気関係学会関西支部連合大会,G11-6,(2009/11/07)


〒639-1080 大和郡山市矢田町22
奈良工業高等専門学校 情報工学科 
准教授  松尾 賢一
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(巡回ロボット対策のため,□を@に変えています)